先生。


「潤が言ってきたんだよ」


「嘘だ」


「うん。嘘」





なんだ。


少しびっくりしたじゃん。





「でも…」





ホッとしたのもつかの間。


先生は、私をさらにグッと引き寄せた。





「昨日はすごく素直だったけどね?」


「…嘘だ」


「大胆に煽ってくるから焦っちゃったー」


「嘘だ!」





バカにするようにそう言う先生の、胸をバンバン叩く。


ありえないことはない。


酔っていたし、何も覚えていないのが事実。





「聞いてないのに、好き好き言ってくるしさー」


「…言ってないよ」


「俺のこと嫌いなの?」





ほら。


ズルいよ。


私の逃げ場をいつも、簡単に塞ぐんだもん。

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