先生。


「あ、嫌いなんだ?じゃあもうしーらない」





何も言わない私に、拗ねる先生。


そんな姿でさえ、可愛くて愛おしくて。


誰にも渡したくないし、誰にも触れて欲しくない。





「せんせ」





背中を向けて寝転ぶ先生。


いつも余裕ばっかりなのに、本当にこう言う時は、小学生みたい…





「こっち見てくれないの?」


「俺のこと嫌いなんでしょ」


「こっち見てくれなきゃ答えられない」





そう言うと、クルッと体ごと振り返る先生。


意地悪そうに笑っていて、それがまた可愛くて。



だから私は、自分からキスをした。


触れるだけの、短いキス。





「…遅刻しちゃうよ」





やっぱり慣れてないものは恥ずかしくて、私は先生にそう言って寝室を出た。

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