先生。
「でも…」
「いいから言うこと聞けよな。アホなお前に決定権はない」
司は知ってるのかな…
知ってて理由を聞かないでくれてるのかな。
こうやって私がいつも通りでいられるようにしてくれてるのかな。
「ありがと…」
そう言って背中に乗ると、すごく温かくて安心できた。
「…どこ行くの?」
見慣れない道が広がって、周りには高層ビルばかりで不安になる。
「俺ん家」
「…え?」
「なんだよ。文句あんの?それとも家に帰りたい?」
その言葉にハッとなる。
帰ったら、家には先生がいるんだ。
そう思い返して、私は首を横に振る。
「重いんだから動くなよ」