先生。


そんな優しさを無視するかのように、私は自分から司にキスをした。


唇が触れると、舌が入り込んで私の口内をかき乱すように動く。



だけど、お互いが違和感に気付いて、司が私から離れた。





「…ごめん、無理させた」





それは、私がきっと泣いてるから。


泣いているから、司に謝らせてしまった。



こんなに優しい人いないのに、私の心を先読みして、理解してくれる唯一の人なのに…



…なのにどうして。



先生は私の骨の髄にまで侵食してくるの。


呆れるほどに私を蝕んで、残酷なくらい染み付いて、私の一部になろうとするの。



どんなに酷いことをされても、苦しいほど痛くて呆れて大嫌いだと思っても…


ほんの少しの優しさで許せてしまう。



そうやって徐々に私を蝕んだんでしょ。

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