先生。
声のする方を見ると、そこには司が立っていた。
手渡されたのは、卒業証書。
「どっかの誰かさんのせいで卒業式に出ないとか、本当にアホなの?」
「だ、だって…」
「じゃあここでやる?卒業式」
「…え?」
「長期休暇のはずの譲先生、本当の卒業式はサボってこいつの為だけの卒業式はやるんすね?」
フッと私をバカにするいつもの顔で言う司。
そんな司の目線の先を追って先生を見ると、先生も力が抜けたみたいに笑った。
「今日の立花は当たり強いな」
「当たり前でしょ」
「まあ、やるならどーぞ」司がそう言うと、先生は私から筒を取って中の紙を広げた。
「卒業証書、夏目潤。右のものは高等学校の過程を修了した事を証する。平成30年2月10日」
そう言って証書から私に目線を移す。