先生。


「おめでとう。潤」





先生は私を見てフワリと笑い、そう言ってくれた。



頑張ってよかった。


そう心から思えた。





「じゃあ俺行くわ。またな。先生も。潤のこと泣かせたら、ぶん殴りに来るから」





冗談めかしてそう言った司。


彼なりの不器用な優しさが、きっと先生にも伝わってるはず。




司が転校してきた日から、私は変わった。


学校に行くようになって、少しづつ感情を宿り始めた。



喧嘩したり、周りに誤解されたり、嫌がらせされたり。


だけど、その度に司は私を助けてくれた。



崖から落ちた私を、何度も引き上げてくれた。



泣いていると、いつも側にいてくれた。


落ち込んでいた時は、いつも笑わせてくれた。



頑張る意味を私に与えてくれた。



こんな私を…好きになってくれた。




司の背中が遠くなって、少しだけ寂しくなった。



それに気付いたのか、先生は私の手をぎゅっと握る。

< 383 / 399 >

この作品をシェア

pagetop