先生。
「おめでとう。潤」
先生は私を見てフワリと笑い、そう言ってくれた。
頑張ってよかった。
そう心から思えた。
「じゃあ俺行くわ。またな。先生も。潤のこと泣かせたら、ぶん殴りに来るから」
冗談めかしてそう言った司。
彼なりの不器用な優しさが、きっと先生にも伝わってるはず。
司が転校してきた日から、私は変わった。
学校に行くようになって、少しづつ感情を宿り始めた。
喧嘩したり、周りに誤解されたり、嫌がらせされたり。
だけど、その度に司は私を助けてくれた。
崖から落ちた私を、何度も引き上げてくれた。
泣いていると、いつも側にいてくれた。
落ち込んでいた時は、いつも笑わせてくれた。
頑張る意味を私に与えてくれた。
こんな私を…好きになってくれた。
司の背中が遠くなって、少しだけ寂しくなった。
それに気付いたのか、先生は私の手をぎゅっと握る。