先生。


完全にママの姿が見えなくなったら、私の頭の上に優しく置かれた手。





「よく頑張りました」





なんて小学生をあやすように撫でられた。





「私、先生がいない間に強くなった」





横を見上げれば、先生の優しい笑顔が見える。





「帰りますか。俺らの家に」





小さく頷けば、柔くて温かい先生の手が私の手を取って包んだ。



久しぶりに乗る先生の車。


車内でも手は繋がったまま。





「先生?危ないよ?」





本当は私だって繋いでたいけど…


でも先生はそれを見透かしたように、より一層強く手を握った。





「やだよ。離してあげない」





そう言われて私の心が100あったら130くらいまで上っちゃうなんて、先生は知らないでしょ。



それから、車が赤の信号で止まると私の方を見て微笑んでくる。

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