エリート弁護士は独占欲を隠さない

大急ぎで収入印紙を購入して戻ると、デスクの上の書類が増えている気がして顔が引きつる。


「もー、無理でしょ、こんな量……」


ぶつくさつぶやきながらイスに座り、書類を確認し始めた。


次は戸籍謄本を取り寄せて……。
あっ、文献のコピーも必要だった。図書館行かなくちゃ。

頼まれている仕事がわんさかあって、プチパニックだ。

頭を抱えていると、九条さんが「戻ってきたか」と再び私のデスクにやってきて、書類を手に取りだした。


「五十嵐は要領が悪すぎる。まずは締め切りの期限別に分けろ。どの仕事を優先すべきか筋道を立てるんだ」
「九条、手伝ってやりなよ」


私たちの様子を見て口を挟んだのは、他の秘書と話をしていたいつも笑顔の青田先生だった。

神様なの?


「やらせないといつまで経っても覚えないですから。五十嵐のためですよ」


私のためって……。

その通りかもしれないけど、この仕事量、他の事務員の何倍もあるんだよ? 
無理なときは、他の先生たちは手伝ってるよ?
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