エリート弁護士は独占欲を隠さない

それにしても絶対に仕事が多すぎる。書類の山はどんどん高くなるばかりで、やってもやっても減る気配がない。

それもこれも、なにか疑問があるとすぐに事務所を飛び出し、自分の目で確かめに行く九条さんのフットワークのよさのせい。

そのたびに私も一緒についていくので事務処理をする時間がなくなる。

といっても、そのフットワークのよさは尊敬しているんだけど。

ただ、そのしわ寄せが私にきていることに気がついてほしい。


「まあ、午前中はよくやれていた」
「へっ?」


変な声が出たのは珍しく褒められたから。
彼が褒めるなんて槍でも降るに違いない。


「午後もその調子でな。でも印紙は必要だ。今すぐ買ってこい」
「は、はいっ」


低い声で突き刺され、震え上がりながら事務所を飛び出した。
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