エリート弁護士は独占欲を隠さない
コーヒーブレイク……なる時間はなく、デスクに戻って書類の山と格闘し始める。
すると、コーヒーカップ片手に余裕の様子で、九条さんがやってきた。
「あと三十分で出る」
「えっ、無理です」
「誰が意見を主張していいと言った?」
誰にも言われてないけど、無理なものは無理でしょ?
顔を引きつらせていると、彼は私のデスクから書類を数枚抜いていく。
「今日だけだ」
あれっ、手伝ってくれるの?
なんだか今日は妙に親切だ。
「わー、九条さん優しい!」
「日本語わかる? 『今日だけ』って意味、理解できた?」
これ見よがしにごまをすったものの、通用しないらしい。
九条さんは冷たい表情でつぶやき、部屋に戻っていった。
周りの事務員たちにクスッと笑われる中、仏頂面で仕事を続ける。
担当弁護士変えてくれないかな。優しく丁寧に指導してくれればいいのに。
そんなことを考えていると、デスクの上の電話が鳴った。