エリート弁護士は独占欲を隠さない
「そう。よくあるのよね。取り次がなくて正解よ。それにしても、やっぱり五十嵐さんのスキル、上がってるじゃない」
彼女は前回雷が落ちたときもバッチリ目撃していたので、そう言うんだろう。
「あはは。そうでしょうか」
松下さんに褒められるのはうれしいものの、それ以上の勢いで九条さんから叱られるので、ダメージが大きい。
アメとムチを使い分けてくれればいいんだけど、九条さんはほとんどムチだし。
「賢いけど、人の使い方は間違ってるわ……」
次の書類に手を伸ばしながらボソッとつぶやくと「なんか言ったか?」とうしろから声をかけられて固まる。
九条さんの声だったからだ。
足音立てて近づいてきてよ!
「なにも……」
冷や汗たらたらで返事をすると、彼はバッグをドンと私のデスクに置いた。
「出かける時間だが?」
「あと三分ください」
あとひと息というところで余計な電話に出ていたので、まだ終わっていない。