エリート弁護士は独占欲を隠さない

興奮気味に返事をすると、彼は車へと足を進める。

どんなレストランに連れていってくれるのかとウキウキしていると、海の近くにある高級ホテルの駐車場に入っていく。


「あれ、『アルカンシエル』?」
「そう。うちのビルに入っているホテルの本館だな」


同じビルで働いているとはいえ、アルカンシエルは高嶺の花。

宿泊料が高く、気軽に宿泊できるところじゃない。

だけど接客も施設も超一流と言われるだけのことはあるらしく、一度は泊まってみたいと思っているホテルだ。

そんなホテル内のレストランって……。緊張する。


「今日は楽しめ」
「はい。ありがとうございます」


それからの九条さんは普段とは違った。

いつもならスタスタと先を歩いていくのに、もたもたする私を待ち、しかもなぜか手を取って自分の腕につかまらせる。

まるで恋人のような振る舞いに目が点になったが、なにも言えずに素直に従った。
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