エリート弁護士は独占欲を隠さない

疑問に思いながらも、こんなにゆっくり向き合うのは初めてなので、きちんと謝っておこうと口を開いた。


「あの……いつものろくてすみません」


頑張っているつもりだし、指摘された直後は、必死にやってるのに!と反発心が出てしまうけど、やっぱりそれは私が未熟だからで、反省すべきところだ。

松下さんのように指示がなくても先回りして仕事ができるパラリーガルになれたらいいんだけど、そもそも法律に関する基礎知識がないため簡単じゃない。


「まあ、のろいな」


自分で言い出したとはいえ、胸を切り裂くような発言にへこむ。


「でも、五十嵐が全力でぶつかっているのはわかっているつもりだ」
「えっ……」


思わぬ返事が返ってきて、声が漏れる。


「そもそも法学の知識のないお前が、必死に学んで俺の依頼をこなし続ける姿には感心している。のろいかもしれないけど、それでいい。誰でも最初は時間がかかる。五十嵐の情熱があれば、すぐに一人前になれる」
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