エリート弁護士は独占欲を隠さない
明日は土曜で仕事は休み。多少二日酔いしても大丈夫かな。
それからエビやサーモンをメインとした前菜が運ばれてきて、舌鼓を打つ。
食べるのがもったいないほど素敵に盛り付けられていたそれは、私の舌をうならせる。
「おいしい」
心の底から声が出た。
するとフォークを持つ手を止めた彼は、微笑しながらうなずいている。
「日頃頑張っているからうまいんだぞ?」
「頑張っているから?」
「そう。適当に日々を過ごしていても、料金さえ払えばこの食事を楽しめる。だけど、それだけでは満たされない」
どういうこと?
首を傾げていると九条さんは続ける。
「自分が必死になった結果この食事を口にできたという満足感が、おいしさを加速させる。五十嵐がおいしく感じるのは、毎日限界まで挑戦できているからだ」
なんだか彼の言葉がスーッと胸に入ってくる。
「九条さんにそう言っていただけるとは思ってもいませんでした」
本音をこぼすと彼は表情を緩ませる。