エリート弁護士は独占欲を隠さない
たしかに、ヘトヘトだった。
だけど努力というものは上限がなく、まだ走れると歯を食いしばっているうちに今日まできた。
どこで休んだらいいのかわからなくなっていたんだ。
トクトクと規則正しく響いてくる彼の心音が、私の心を穏やかにしていく。
鬼上司に抱きしめられているというとんでもない状態なのに、気持ちが安らぐなんて不思議だった。
それからしばらくして、九条さんが突然うしろに倒れたので、私もそのまま引きずられて再びベッドに倒れ込んだ。
その瞬間、はだけた彼の胸元に唇が当たって焦る。
だって、私からキスしたみたいだったから。
「誘ってる?」
「ち、違いますっ!」
とんでもない発言に目が飛び出しそうになる。
すぐに離れようとしたのに、強く抱きしめられて動けない。
どうしよう。彼の素肌に触れた唇が熱くてたまらない。
「こういうことは彼女としてください」
「彼女なんていないぞ。お前がなるか?」
九条さんはそう口にしながら、背中に回した手に力を込めてくる。