エリート弁護士は独占欲を隠さない

突然なにを言い出すの? 冗談はやめて。


「わ、私では力不足ですから」
「力不足って……。あはは」


おかしそうに肩を震わせる彼は、ひとしきり笑ったあと私を横に寝かせて今度は顔を覗き込んでくる。

いったいなにがしたいの? 目的はなに?


「恋愛に力不足なんて言葉はないんだぞ。よく覚えておけ」


そう言ったときの視線が妙に艶っぽくて、ドキドキが止まらない。


「はい……」
「まだ寝足りない。今度はお前が俺の抱き枕になれ」
「はいっ?」


彼はわけのわからない言葉を残し、私を抱きしめたまま目を閉じた。


「抱き枕って……」


目の前で静かに寝息を立てる九条さんを、このまま見つめていろと?

すっかり目が冴えているのに、動けなくなった。

それにしても、男のくせして長いまつげだ。
あっ、耳の下に小さなほくろ発見。

怖いとしか思っていなかった彼が、昨日の夜から今朝までの間にぐんと近い存在になった。
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