エリート弁護士は独占欲を隠さない
* * *

鬼の九条さんとタッグを組んで半年があっという間に過ぎた。

どこからかキンモクセイの花の香りが漂ってくる九月下旬。

相変わらず失敗をゼロにすることはできず、叱られている。

ただ、半年前に比べるとその回数も減っているし、必死に食らいついているおかげか『甘えがある』とは言われなくなった。

それに、新しく任せられる仕事も増えてきたように思う。

全力で仕事に取り組んでいるつもりだけど、まだまだ力不足なのはいなめない。
いつになったら余裕ができるんだろう。


「不動産登記の手続きは何度目だ。そんなに時間もいらないだろ」


そんなこと言ったって、仕事はそれだけじゃないんだもの。

最近になってますます仕事の量を増やしてきた彼に心の中で反論しつつ、口には出せなかった。


「すみません。あっ、収入印紙が足りません。郵便局に行ってきます」


法務局に提出する申請書につけなければならない収入印紙が不足している。
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