エリート弁護士は独占欲を隠さない

こんなときに限って……。
午前中に大量に使用したので、足りなくなってしまった。

慌ててバッグを持ち立ち上がると、九条さんが呆れ顔でため息をつく。

また叱られる……。
そう覚悟してうつむいていると、彼はなぜか私のイスに座る。


「お前はいつも郵送しているようだけど、不動産登記はオンラインで申請できると教えたぞ。手数料の納付はネットバンキングで大丈夫だ」


そういえば以前、そう教わった気もする。

もちろんその都度メモを取ってはいるけれど、なにせ日々あれこれと大量に教わるので、教わったかどうかもわからなくなっている。

法務省のシステムにアクセスした彼は、あっという間に申請を済ませた。


「次はない」


うわー、こわっ。

私を見上げるその顔は、おそらく女子ならキュンと胸をときめかせるほどいい男なのに、視線が鋭く尖っていて痛くてたまらない。


「申し訳ありません」


私は深く頭を下げた。
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