星の向こうできみを待っている。


会いたい…。


そう思うのに、いざ、病室の前まで来ると躊躇ってしまう。

どんな顔をして会えばいいの?

告白を断っておいて、あたしから好きって伝えてもいいものなの?



…分からない。


震えた手。

じんわり熱くなる目頭。

苦しくなる胸。

あたしはいったい、何がしたいんだろう。


ドアノブを掴んだ右手を動かすことなく、しばらく固まっていると、


「…うぇっ…げほっ…げほっ…」


部屋の中からせき込むような…苦しそうな声が聞こえた。
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