恋する剣士
 *  *  *  *  *


数日間、熱に魘された明が目覚めた



「姫様!お目覚めでございます!!」


慌ただしい侍女達に
心の中でため息ーー面倒くさい



急に手のひらを返して世話をする様子に
自身の素性が知れたのだと悟った



バタバタと慶喜が駆けつけ、明を覗き見る


「痛むか?」

首を横に振った

「すまなかった… 其方の矢傷を軽んじてしまい…」

申し訳なさそうに俯く慶喜に
かける言葉が見つからず
微笑みを返した


「この者達に看病を任せておる
遠慮なくつかってくれ」



「……もう、大丈夫です
ひとりで… 出来るから…」



「まだ熱も下がっておらぬに!無茶を申すな!!」




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