恋する剣士
明が男に向けて叫んだ

立ち止まった男が振り返り、明をチラリ
再び、動き去って行く



「待って!!昴!!昴!!」



追いかけようとする明を永倉が止めた




「何言ってんだ!?あいつは、昴じゃないって!
昴は… もう、いないだろ…」



明を自分に向かせ、言い聞かせるように言い直す


「昴じゃない!顔に傷もなかった!」

「わかってる… でも… 昴だ!」

「昴は…」



〝死んだ〟と言えなくなった

明の目が、生き生きとしていたから















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