恋する剣士
昴だと言い譲らない
明をどうにか輿に戻す


城に到着してからも慶喜に訴えた



そんな明が痛々しく



誰も〝昴は、死んだ〟という現実を言えなかった











「なぜ、昴が生きていると?」


侍女が、遠回しに死んだことをにおわせた質問をした



「…おかしいですよね
昴は、私の目の前で死んだのに
あの人を昴だと呼んでいた
どうしてか説明できない
だって…あれは、昴だから」




気が触れたのではないと確信し、ホッと一安心する




「生まれ変わりかしら?」


侍女が言えば



「早くない?」



「おほほっ そうですね」





明が生き生きと
気を使わずに話をする姿に、侍女らが微笑む







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