恋する剣士
明に聞きたいことがあり、廊下で待っていたが


「遅くないか?」
「おい!着替えたのか!?」

返事がない
意を決して、襖を開ける

布団の中でスヤスヤと眠っていた


「まぁいい また、明日な」


土方が明の頭を撫でた


ひとりになり、時々、山崎が様子を見に来ることも
しっかりわかっていた

「よぉ寝てんなぁ~熱は、ないな」


ーーーヘンなの


親にもこんなふうに看病された覚えのない明は、くすぐったい気持ちになっていた



翌朝



山崎が来るより早く、着替えをすませ布団を畳んだ


「おはようさん!寝れたか?」

「おはよう、寝た」



脇腹の痛みは、昨日より増していた
それでも、明の表情は、昨日から変わらない


山崎は、明の脇腹に触れようとした


「見るのはダメなのに、触れるの?」

「っ!!あのな、女の裸くらい見たことあるわい!!
明のが特別、綺麗やったから、驚いただけや!!!」


からかうつもりが、返答に困ることになった







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