嫌いの反対



「マジで守れなくてごめん。怖い思いさせて悪かった。今度はなんて甘ったれたことは言えねえけどこれからも全力で守らせてほしい」


波留多の思いが痛いほどに伝わってくる。

その思いに甘えて私はしばらく泣いていた。







「咲良の親と兄貴は警察に捕まったって。家ももうどうなるかわからないな」

後から入ってきた隆騎たちにそんなことを教えてもらった。




「そうなるとさ」

沈黙の中、私は重い口を開いた。

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