嫌いの反対
皆の視線がこっちに向くのが分かる。
…いや、なんかめちゃくちゃ言いづらいんだけど。
「私の、帰る場所なくなっちゃったってことだよね」
一応あそこ私の家なわけだし。
「何言ってんの?」
そんな私をきょとん顔で見てきた守。
…え?
「家なら心配ないっしょ」
守の後に続いた零の視線は波留多のほうに向いている。
うっわあ、なんだろ、すごい嫌な予感がする。
「お前は俺の家に住めばいいだろ」
…うん、やっぱそうなるよねえ。
忘れてたこいつの家のこと。