星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
 中間試験最終日。

 午前中で試験が終わると、私はお弁当を食べて図書室で自習していた。


 夕方まで時間を潰して私は英語準備室を訪ねる。

 久しぶりの英語準備室。
 胸はドキドキして、足取りはふわふわする。


 準備室の前まで着くと

(あれ…?)

 部屋の電気が消えていた。
 ノックしてドアを引いてみても鍵が掛かっていて開かない。


(先生、職員室かな?)


 仕方なく職員室に足を向ける。


 どうしても逢いたい…

 だって先生と想いが通じ合ってから、月曜日に外にいる先生が遠目に見えただけで、まだちゃんと逢えてない。


 でも職員室にも先生の姿はなく、

「初原先生は今日はもうお帰りになったよ」

と隣の席の先生に言われてしまった。


(えっ、何で?)


 やっと、やっと逢えると思ったのに…


 確かに正式に先生の彼女になったわけじゃない。
 けど、限りなくそれに近い約束をしたつもりだった。
 先生だって私に逢いたいと思ってくれてると思ってたのに…


(それに、誕生日だってあったのに…)


 私はすっきりしない気持ちで黄昏の空の下、学校を後にした。



 その晩、先生からメールが来た。


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Date: 201x 12/1x 20:18

From: Subaru Hatsuhara
〈xxx_pleiadesxx1212@……〉

Sub:(non title)

――――――――――――

試験お疲れ様。

明日の放課後、準備室来れる?

-END-
――――――――――――


 短いメール。


 でも。

 僻んだ心がぱっと潤う。


(やっぱ先生も私に逢いたかった?)

なんて。自意識過剰?


 でもどうしたって先生の一挙一動全部に僻んだり浮かれたり、激しく心が揺り動かされる。

 好きってこういうこと。しょうがない…
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