星降る夜はその腕の中で─「先生…私のこと、好きですか?」
3月~卒業式

(あぁーっ!神様!)

 両手を握り合わせぎゅっと眼を瞑る。


 外大入試から1週間。ついに合格発表の日が来た。


 父の書斎でパソコンを開く。

(あと1分…)

 定時に発表がネットにアップされる。


(お願い!受かっててーッ!!)

 不安と期待に胸が痛い。
 冷たい指先でページを開くためのIDを打ち込む。 

(3、2、1…)


 カチッ…

 開いたページにずらりと数字が並ぶ。


(1217、1217…)

 自分の番号を探す。


(1217…

 あ…)



 はたして並ぶ数字の中に探している番号があった。


「やっ…!」

(やった…合格だ!!)



『今まで南条が努力してきたこと俺はずっと見てきたし、落ち着いてやれば絶対大丈夫』

『頑張っておいで』


 いつだって先生が傍にいてくれた。
 離れているときも、心は寄り添っていてくれた。

 早く先生に伝えたい─


(先生!私合格したよ!)


 書斎に射し込む陽の光は柔らかく眩しくて、春が近付いていることを感じさせる。


(先生と私の為にきっと春は、来る)


 先生と私、ふたりの為に─

           *
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