先生はめんどくさがり。


勝手に期待したのは自分なのに、悲しくなって。


辛くて、胸が苦しくて、どうしようもなくなる。



私にだって、その気持ち…すごくわかるよ。





「恋…まだ渡してないの…?」


「あ、うん。これからなの」





私の胸で泣いていたミヤちゃんは、私が持っている紙袋を見てそう言った。





「行ってきて。私大丈夫だから」





私の肩を掴んで、ニコッと笑った彼女。


そんな彼女が、この間より少し大きくなった気がした。





「うん。ありがとう」





言葉に甘えて私は教室を出た後、準備室へ走った。



もう、とっくに約束の5分は過ぎている。



もしかしたらいない可能性も…


てゆか、そっちの方が高い。

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