先生はめんどくさがり。



ガラガラっと勢いよく開けた扉。


息を切らして中を見ると、ソファに寝転がって目を瞑っている先生がいた。





「またノックと失礼しますも言えなくなった?」


「あっ…ごめんなさいっ…」





いや、今はそれどころじゃない。


階段ダッシュしたのが久しぶりすぎて…息が…





「そんな走ってきたの」


「うんっ……あ、はいっ…」





ゆっくりと息を整えて、スーッと深呼吸をしたあと。


私は持っていた紙袋を先生に差し出した。





「…トリュフです。甘いの嫌いって言ってたから、苦めに作りました」





寝転んでいた先生は、上体を起こしてソファに座りなおす。



そして、また意地悪なことをしてくる。

< 113 / 284 >

この作品をシェア

pagetop