先生はめんどくさがり。
ガラガラっと勢いよく開けた扉。
息を切らして中を見ると、ソファに寝転がって目を瞑っている先生がいた。
「またノックと失礼しますも言えなくなった?」
「あっ…ごめんなさいっ…」
いや、今はそれどころじゃない。
階段ダッシュしたのが久しぶりすぎて…息が…
「そんな走ってきたの」
「うんっ……あ、はいっ…」
ゆっくりと息を整えて、スーッと深呼吸をしたあと。
私は持っていた紙袋を先生に差し出した。
「…トリュフです。甘いの嫌いって言ってたから、苦めに作りました」
寝転んでいた先生は、上体を起こしてソファに座りなおす。
そして、また意地悪なことをしてくる。