先生はめんどくさがり。
「んだよ。そういうことかよ」
啓太は、なんの感情もなさそうに冷たくそう言った。
「啓太…「自分は自分で、俺はあの子と結ばれればいいと思った?」
「違う!そうじゃなくて!」
「じゃあどうなんだよ」
啓太にそう言い返された時、何にも言えなかった。
一瞬でも、上手くいけばって思う自分がいたから。
「もうどうでもいいわ」
落ちていたカバンを乱暴に拾い上げて、歩いて行く啓太。
「待って!啓太!」
数学準備室に転がっている自分のカバンを持ち上げて、ここを出ようとした時。
先生が私の手を引いた。
「今は行かない方がいい」
「でも!ここままじゃ…「今行って何ができる」」