先生はめんどくさがり。
「…先生も甘いよ……」
一緒に帰るなんて、誘われたことない。
なんか調子狂いそう…
「お利口な恋ちゃんならわかってたと思ってたのに。またタメ口きくんですか?」
倒れ込んでいた私の肩を掴んで目を合わせると、先生はみんなに見せる笑顔でニコッと笑った。
そんな笑顔も、最強にかっこいい。
「好き…です…」
だから自然とそう言葉に出てしまうの。
無意識に伝えたくなってしまうの。
おかしいよね。
さっきミヤちゃんの言葉に同感できたばかりなのに。
…なんて思っていた時。
ガタンとカバンの落ちる音がした。
音のする廊下を見れば、透明の窓の向こうにいるはずのない啓太が立っている。