先生はめんどくさがり。
「…いつもそうだったよね。喧嘩しそうになるとすぐに謝る。だからジンの気持ちが全然わからなかった」
「マナミ…」
「ジンはいつも、私から逃げてたんだよ…」
苦しそうで、辛そうな2人。
ほらまた、世界にはここでも傷つく人がいるんだよ。
「逃げてたんじゃなくて、どうすればマナミの為になるか考えてた」
「私に婚約者がいるって知って、私の為に別れたの?違うでしょ。婚約破棄させてまで私と付き合うことから逃げただけよ」
マナミさんがそう言うと、ジン先生は顔を歪ませて言葉に詰まってしまった。
「ごめんね恋ちゃん。行こう」
だけど、ジン先生がマナミさんの腕を掴んだ。
「もう俺は、逃げないよ」