先生はめんどくさがり。
中から、入れ。と声が聞こえてたくさんある中の1つの部屋に入った。
「改めて話をさせてください」
「何度も何度もしつこいぞ」
しつこいって…
先生は、あれから何回も言ってくれたのかな…
「俺は何度でも言います」
「グループとの提携を切るとまで言われたんだぞ。お前は、会社を潰すつもりか?」
潰す…
「違います。お互いに話し合って…」
「君、名前は?」
先生の言葉を無視して、お父さんの目線が私に移る。
「江夏恋です…」
「年は」
「18…です」
「将来、こいつと結婚するつもりは?」
「それは…」
「父さん、今は俺と話を…」
「俺は今、彼女に聞いている」
先生のお父さんとただ話しているだけで、足が震えて声が上手く出てこない。