先生はめんどくさがり。


違うって言いたいけど、言い訳してるようにしか聞こえないよね…きっと。



それから何回か先生を見たけど、目が会うことはなかった。




家に入るまでも、ただ歩幅が揃わないだけでこんなにも寂しいんだ。


部屋の中に入ったら、座れって目だけで指示される。





「説明」





そう言って私を少し睨むけど、先生は必ず私の理由を聞いてくれる。


言い訳でも、なんでも。



頭ごなしに怒ったりしないし、それがまた私を安心させてくれるんだ。





「…初めは本当に女子会だって言われたから行きました。でも、お店の中に入ったら男の人もいて…」


「それで?」


「帰ろうって思ったらさっきの人に捕まって、タイミングなくした…」


「俺に満足できなくなったなら言ってね?」





満足できなくなるなんて、そんなことあるわけない。

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