先生はめんどくさがり。


「そんなこと…絶対ないよ…」


「そうかな?」





そう言って先生は親指で、私の唇をなぞる。





「唇、塗り直したろ?」





出かける前に先生が唇舐めるから、ほとんど剥がれちゃって塗り直した。





「それにオフショルなんか着ちゃってさ、男誘いにいってる格好じゃねえの?」





今度は指が鎖骨に落ちる。





「もし襲われて、そんなつもりじゃなかった。なんて言っても通用しねーよ」





先生は、私の腕を強く掴むとそのまま床に押し倒した。





「せんせっ…」


「なに?床でおかしくなるくらい抱いて欲しい?」


「やっ…!」


「俺、言ったよな?独占欲強いよって。本当にわかってる?」


「ごめん、なさっ…」





泣くのはずるいってわかってるけど、先生が怖い。


それに私が合コン行くつもりだったって疑われてるみたいで嫌だ。

< 270 / 284 >

この作品をシェア

pagetop