血だらけペガサス
しかしながら今の話は、前回までの話の質じゃない。
校長のしゃべりは異常なくらい下手だけど、
内容は…………おそらくヘーゲルの弁証法的発展をみんなに理解してもらいたかったのではないかな。と考えてみる。
校長は、話の続きを始めた。
倫太郎が予想した通り、人と人との価値観の違いをどう乗り越えていくかというものだった。
彼はこの手のお話には深く精通していたので、
あまり細部にまで聞き耳を立てなかった。
朝礼が終わって、この場は解散となる。
人がだんだんと掃けていく。
少しの物音が反響するようになってくる。
肩が凝ったので首をまわすと、高い天井に折りたたまれたバスケットゴールが目に入る。
あの鉄筋の隙間に入り込んでしまったボールは、いつか取れる日はくるのだろうかと心配してみる。