血だらけペガサス
頭は混乱して、
この地球上のどこにいても逃げ場がなく、
ただ世界の崩壊を待つだけだと、
絶望にも似た激しい精神的苦痛を感じた。
呼吸が荒くなる。
また、その反面、星をもっと近くで見てみたいという衝動にも駆られた。
もっと近くで、もっと真剣に、世界の異変と異様さを感じて、その圧倒的な渦の中でこそ生命の終わりを迎えるのだという強い意志があった。
倫太郎は体育館を飛び出して、階段を駆け上がった。
屋上に上がるためである。
仲良し学級の扉が開いているのが一瞬だけ見えたが、
今はどうでもよかった。
それよりも早く屋上へ行くのだ。
階段を上り切ったとき、
すでに屋上に通じる扉は開かれていて、数名の先客がいた。
たぶん彼らも倫太郎と同じことを考えている。
恐怖心と興味本位が混じり合った心境の中で、ありきたりな日常にピリオドを打ってくれる世界の異変に、恐れおののきながらも……必死にすがっている。
秋晴れの空が、百八十度見渡せるこの場所は特等席のようなもので、倫太郎と他の生徒は口をポッカリ開きながら、茫然と「それ」を眺めていた。
信者の人生に破滅をもたらす教祖のように、
歴然としてその存在感を放っていた。