御曹司様の求愛から逃れられません!
絢人さんが好き。
許されるのなら、これからもずっと一緒にいたい。何があっても絢人さんとなら大丈夫な気がする。

でも私は、彼を幸せにできる保証がない。

「……私、分からないんです。絢人さんに何もしてあげられない。絢人さんからたくさんのものを貰ってばかりいました。……どうして、私なんですか」

やっと彼と向き合って、ずっと疑問に思っていたことをぶつけた。
聞くことが怖かったけど、はっきりさせなければ先へ進めない気がしたのだ。私は絢人さんとの関係を前へ進めたい。決意の表情で、彼の言葉を待った。

「……真夏、気付いてないんだな。俺こそ、真夏から色んなものを貰いすぎてる」

「嘘です!だって……絢人さんは昔からなんでも持っていました。何でもできるし、どこへ行っても人気者だし、とんでもないことを実現させちゃうし。私がいなくても、絢人さんは幸せそうです」

これは告白を断ったわけではない。でも、絢人さんはその予感がしたらしく、少し真剣な顔をした。

「俺は真夏がいなきゃ何もできないよ」

「嘘……」

「嘘じゃない。俺に付いてきてくれたのは真夏だけだった。……知ってるか?昔から俺のやりたいことと、皆が俺に期待してることは、少し違ってる」

分からなかったから、首を横に振った。
すると彼は続ける。

「周りはいつも、俺が何か大きなことをしでかすのを期待してた。待ってるんだ、皆。でも野望なんていくら持ってても、ひとりじゃ実現できないんだよ。……そんなとき、いつも真夏が支えだった。何をしようとしても、真夏は俺を信じてくれたろ。だから何でもやってこれた。……俺の思い描くことを実現させてくれていたのは真夏だよ。知らかったのか」

「……そんなっ……私、何も……」

「バカだな。思い返してみろよ。俺が真夏無しで何か成功できたことがあったか?達成した喜びを分かち合うとき、お前がそばにいなかったことがあるか?……真夏はずっと俺のヒーローだったよ」
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