御曹司様の求愛から逃れられません!
チョコレートの苦味でじわりと涙が滲んだとき、携帯の画面に新たなメッセージが写し出された。……絢人さんからだ。
私が画面を見ているタイミングと彼がメッセージを送ってくるタイミングがいつも同じなことに妙に腹が立つ。画面をタップし、詳細を開いた。

【お疲れ。今日少し変だったよな。大丈夫か】

全部絢人さんのせいです!ムッとしてそう送ろうかと思ったが、それは少しおかしい気がした。揚げ足をとられてまたからかわれる。

絢人さんだって少しは悩めばいいんだ。私はいつまでも従順な後輩じゃない、流されやすいからって便利に使われたら怒るんだよってことを、態度に出さなきゃ。

……それでもう二度と、こんな冗談を言わないでほしい。
そう伝えたい。

【お疲れさまです。別に何も問題ありません。でも、すみません。絢人さんのこと大嫌いになりました。もう会いたくありません】

初めてここまで攻撃的な文章を作ったので、手が震えている。それでも間違って削除を押さないよう注意をしながら、なんとか送信を押した。
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