御曹司様の求愛から逃れられません!
送ってしまった……。
絢人さん、どう思うかな。つまんねーの、って呆れるかな。楽しいこと大好きな人だもんなぁ。
でも私は間違ってない。今の彼は、昔憧れていた絢人さんとはもう別人だ。あの頃には戻れない。信頼し合って、なんでも乗り越えてきたふたりには、もう……。
おかしいな、なんでこんなに涙が出てくるんだろう……。
こんな場所で泣くわけにいかない、と目を擦って顔を上げると、そこには見覚えのある人の姿があった。
「え、あっ」
前をフラフラと通りすぎていく、メガネで……長身の……そうだ、クロヒョウの人!
彼は私に気づいていない。
そのときちょうどホームに電車が来たが、樫木さんはその風圧で吹き飛ばされそうなくらいに歩き方が不安定だった。昼に見たときとはガラリと変わって顔色も悪く、げっそりとしている。
この半日で一体何があったの?ってくらい。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
あまりにフラフラすぎて倒れそうだったので、私は思わず駆け寄って肩を叩いた。
振り向いた樫木さんは私を見るなりヘロヘロと揺れながら、ホームのイスに沈み込んだ。
「ちょっと、樫木さん!」
周囲の人が私たちにかまわず電車に乗り込み、辺りに誰もいなくなる。しばらくして電車も出ていった。
乗り損ねたけどこれは一大事だ。樫木さんをこのままにはできない。
私は彼の隣にしゃがみ、「誰か呼んできますから」と声をかけた。
すると彼は私の肩を掴んで「必要ありません……大丈夫です……」とうわ言のように呟く。
絢人さん、どう思うかな。つまんねーの、って呆れるかな。楽しいこと大好きな人だもんなぁ。
でも私は間違ってない。今の彼は、昔憧れていた絢人さんとはもう別人だ。あの頃には戻れない。信頼し合って、なんでも乗り越えてきたふたりには、もう……。
おかしいな、なんでこんなに涙が出てくるんだろう……。
こんな場所で泣くわけにいかない、と目を擦って顔を上げると、そこには見覚えのある人の姿があった。
「え、あっ」
前をフラフラと通りすぎていく、メガネで……長身の……そうだ、クロヒョウの人!
彼は私に気づいていない。
そのときちょうどホームに電車が来たが、樫木さんはその風圧で吹き飛ばされそうなくらいに歩き方が不安定だった。昼に見たときとはガラリと変わって顔色も悪く、げっそりとしている。
この半日で一体何があったの?ってくらい。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
あまりにフラフラすぎて倒れそうだったので、私は思わず駆け寄って肩を叩いた。
振り向いた樫木さんは私を見るなりヘロヘロと揺れながら、ホームのイスに沈み込んだ。
「ちょっと、樫木さん!」
周囲の人が私たちにかまわず電車に乗り込み、辺りに誰もいなくなる。しばらくして電車も出ていった。
乗り損ねたけどこれは一大事だ。樫木さんをこのままにはできない。
私は彼の隣にしゃがみ、「誰か呼んできますから」と声をかけた。
すると彼は私の肩を掴んで「必要ありません……大丈夫です……」とうわ言のように呟く。