御曹司様の求愛から逃れられません!
「あの、絢人さん、どうしてっ……」

彼の腕の下で身動きがとれず、さらに両手を捕まえられ、枕の両側に押さえつけられた。
力、強い……。

「……俺のことが嫌いになったから、樫木に乗り換えたのか」

「……え、……あっ」

「どうなんだよ。真夏」

さらに強い力を入れられ、ギュッと目を閉じた。

そうか、そもそもここに絢人さんが来たのって、私が送ったメッセージのせい……?
大嫌いって送ったから、自宅まで会いに来たってこと?なんでそこまで……。

「そ、そんなんじゃないですっ……!駅に、樫木さんが、いて、それでっ、偶然……」

「偶然男と飲んで、酔いつぶれて自宅まで送らせるのか。……無防備すぎるだろ。少しは警戒しろ!」

怖い顔で叱られ、私はピクンと首をすぼめた。
わずかな反抗心が芽生えた。迫ってくる絢人さんと、薄暗い天井。今日はうちの見慣れた天井だけど、私はこの景色を見るのは初めてじゃない。

「絢人さんだって……」

「何だよ。言ってみろ」

「絢人さんだって同じことしたじゃないですか。私のこと強引に部屋に連れて行って……。それと同じです、何が悪いんですかっ……!」

すると、彼の目付きが変わった。
次の瞬間、彼の硬い膝が、私の脚の間にぐっと入り込み、そこにぐいぐいと押し当てられる。鈍く甘い刺激に私は「あっ」と声が漏れた。

身をよじっているのに絢人さんはそれを止めてくれなくて、それはまるで私への“お仕置き”のように途切れることなく続いている。
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