御曹司様の求愛から逃れられません!
「あや、と、さっ……ダメッ……やっ……」

絢人さんの膝が押しあたったまま、強引にキスをされる。
固く唇を閉じていたのに、彼は右手を解放して代わりに顎を固定し、その親指で唇の間を力ずくでこじ開けてくる。

「ん、んん〜……!」

「真夏。俺に大嫌いなんて言った罰だ」

侵入してきた彼の親指を無意識に噛んだのに、絢人さんは止めない。
しばらくして大人しく口を開くと、そこを唇で塞いできた。

「ああいうのは、やめろ……心臓止まるだろ」

「ん……」

決して嘘じゃない。彼に落胆したのは本当だ。
でも私は今の今まで“大嫌い”とメッセージを送ったことすら忘れていて、部屋の前にいた絢人さんを無理に追い払うこともしなかった。
だから何も言えなかったのだ。

悔しいのに、女としての本能がいつも彼を拒否できない。
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