御曹司様の求愛から逃れられません!
まだあと一ヶ月ある。どうするかゆっくり考えて……それか、この曖昧な関係のままでも当日はなんとか笑ってやり過ごせるかも。
絢人さんだって同じ代の仲間に会えるから話も弾むはずだし、私に構っている暇はないに違いない。そうだ。私はひっそりと座っていればいいだけ。

時計を見ると、もう夕方の六時を過ぎていた。

夕飯を作るか、それともコンビニにでも買いに行ってついでにもう一本DVDを借りてくるか……。うん、今日は一日のんびりデーにしたいから、買って来てしまおう。

実は最後にシャワーを浴びたのは金曜日の朝。
さすがに外に出れないと判断し、まずはシャワーを浴びた。

お尻まで隠れるグレーのパーカーにジーンズ柄のストレッチパンツを履き、薄く化粧をする。徒歩圏内に絢人さんが住んでいるため、休日も私はすっぴんでは出掛けられないのだ。
< 86 / 142 >

この作品をシェア

pagetop