俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
そう話す黒いフードの人物の目はどこか悲しげで、メイドも「失礼いたしました」と謝った。

「……やはり、パーティーのことですか?」

男性の質問に、黒いフードの人物は黙って頷く。

「思い出してしまうのです。あの重苦しい日々のことを……」

男性の目が一瞬大きく見開かれる。しかし、再び前を向きビールを飲み始めた。

しばらく沈黙が続いた。聞こえてくるのは、マスターが調理をする音だけだ。

「お待ちどうさま!ほら、野菜と鶏肉の蒸し焼きです!」

少年の前に、マスターは頼んだ品を置く。そして黒いフードの人物の前にも、小さめの皿を置いた。黒いフードの人物は驚いてマスターを見る。

「食べないのは体に悪いですよ。リゾットです。あなた様のお国のものとは少し違うと思いますが……」

「いえ、ありがとうございます」

黒いフードの人物は、ゆっくりとリゾットを食べ始めた。男性も、マスターも、メイドも安心したような表情をお互いに見せ合う。

「女性はその……無理なダイエットをすると子供が将来産めなくなるんじゃないんですか?そうなってしまったら……」

マスターの言葉に、黒いフードの人物は曖昧に笑う。
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