俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
オペラが後半に近づくと、観客たちは感動で涙を流し始めた。

対策本部のメンバーたちも、主に女性陣がハンカチで涙を拭っている。

「……すごいね。とてもきれい……」

そう呟くリリーの目から涙がこぼれる。俺はその涙をそっと拭った。


尊きもの 信じたもの 失われるなんて
そんな結末誰も望まない
なぜ人は争うのだろう?
そこに正しさも得るものも何もないのに
手を取り合って生きることは
叶わないのだろうか?
皆が諦めると言うのなら
私が一人でも世界を変えよう
愛するあの人と未来を生きる人の為


フローレンスの力強く、それでいて優しい歌声が響く。その歌にまた観客は涙した。

「失礼…。少し、トイレに…」

ジャックが席を立ち、そっと出て行く。対策本部のメンバーたちは、ジャックを目で見送るとまた舞台へと意識を集中させる。

「ごめん!私もちょっと……」

俺の隣でリリーがそう言い、立ち上がる。そしてジャックと同じように出て行った。
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