俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」
「リーバス!これってチャンスかも!世界平和に向けての活動を話そうよ〜」

リリーが俺の腕を掴む。

もう選択肢は一つしかない。

「……わかった。舞台に立とう」

「ありがとうございます!」

ため息をつく俺を無視して、問題児たちとオーナーの息子は喜んでいた。

そんな俺は、ふと何かを感じた。鋭く神経を集中させないと気がつかないであろうそれに。

俺は、素早く辺りを見渡す。舞台に夢中になっている客でいっぱいの客席しか見当たらない。

「リーバスくん、何か感じない?」

イワンが俺のそばに来て言った。

「……誰かが見ているのか?」

スパイ、刺客、といった単語が頭の中に浮かぶ。

「そうかもね。きっと気のせいではないと思うよ」

イワンの顔に緊張が走っていた。

しかし、そのことに気づいているのは俺とイワンだけのようだ。リリーたちは、みんな舞台を見て、微笑んだり泣いたりを繰り返している。

何かが起こるのではないかと緊張したが、結局何も起こらないまま、オペラはクライマックスを迎え閉幕した。
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