天使と悪魔の駆け引き


杏子ちゃんの学校は私の隣町。
杏子ちゃんは、消毒した後、私の家を勢いよく出ていった。


私も早く出なきゃ。






ガチャッ



「きゃっ!」


玄関を出てすぐ、拓也が待ち伏せをしていた。

「あの?拓也?」


拓也はニッコリ笑う。
そしておはようと言う。


拓也の顔には、
傷が少しだけだけどあった。
私はその傷から目が離れない。
きっと、杏子ちゃんと…
戦ったんだ。



「一緒に、行こうぜ。」


拓也は昨日の事が嘘のように私と接する。

「拓也、その傷…」

「…ははっ。あと少しで殺されるとこだったよ。」

私は黙り込んだ。
だってなにも言えない。
拓也はポンと肩を叩く。


「美紅は俺を…殺すの?」


「…………え」


戸惑う私を見て拓也は悲しそうな表情を浮かべる。
そしてこう言った。


「なんで、よりによって美紅が…天使なんだよ。」

私だって言いたいよ。
なんで、よりによって拓也が…、悪魔なの?



「美ぃ〜紅♪」


後ろから抱き締められる。
うん、あいつしかいないよね。
そう、あいつしか!


「龍玖っ、やめて!」


こーゆう事されると
もっとイジメられるんだから!
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