優大くんの言動はマシュマロみたいに甘くて軽い。


「あれ、二人ともどこに行くの?」

タイミングよく曲がり角で、美術の先生とぶつかりそうになった。
先生は薄い段ボールを抱えて、不思議そうに首を傾げている。

「ちょっと資料を撮ってきます!」

「そう。はやくね。貴方たちに良い報告があるから」
先生はご機嫌で、それ以上は追及してこなかった。





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