【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
「真澄もダメな奴だよな。こんな可愛い子を泣かすなんて。アイツに代わって謝る。高梨さん、ごめん」
どうして田所先生が謝るの? 弾かれたように顔をあげると、声にならない声で「そんな……」と首を横に振った。
「本当は真澄本人が来て、謝るなり話をするなりしたほうがいいと思うんだけど。アイツ、かなりダメージを受けててね。HPゼロ状態なんだよね」
「HPって……」
こんな時にゲーム用語を使うなんて、田所先生らしい。クスッと笑みを漏らすと、先生がホッとしたように笑った。
「真澄は、この笑顔に惚れたんだな」
「な、何言ってるんですか」
田所先生が恥ずかしくなるようなことを言うから、一瞬で頬が熱くなって鼻の頭にじわりと汗をかく。
「顔を真っ赤にしてるところ悪いんだけど、いろいろ聞いてもいい?」
おしぼりで鼻の頭を拭いていた手を止め、彼の前にまっすぐ座り直す。
「それって、真澄さんのこと……ですよね?」
大きく頷く田所先生を見て、「わかりました」とわたしも頷いた。
「どうして黙って、真澄の前から姿を消したか教えてくれるかな」
「それは……真澄さんが結婚するって、その相手が大学病院の教授の娘さんって聞いて」
「うん。それで?」
「わたしのことを騙していたんだって、ショックで……」