【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし

一度引っ込んだ涙が、またじわりと目に溜まる。耐えきれなくなって俯くと、ポロポロと涙がこぼれた。

「な、泣くなんておかしいですよね。わたしが真澄さんと付き合うなんて、最初から間違いだったんです。そんなことちょっと考えたら、わかりそうなものなのに……」

真澄さんが言ってくれた言葉が、全部嘘だったなんて思いたくない。

真澄さんが見せてくれた笑顔が、全部仮面だったなんて信じたくない。

真澄さんが愛してくれたあの夜が、全部夢だったなんて終わらせたくない。

なんて、なんて、なんて──。

ここまできて、一体何を考えているんだろう、わたし。往生際の悪いにも程がある。自分がここまで、諦めの悪い女だったとは……。

自分で自分が嫌になる。

ふ~とゆっくり息を吐き涙を拭うと顔を上げた。と、田所先生のわたしを真っ直ぐ、射るように見つめる目とぶつかる。

「君はもっと頭のいい女性だと思っていたけど、それは俺の買いかぶりすぎだったのかな?」
「え?」

それって、どういう意味? わたしが頭のいい女性って、田所先生は一体何が言いたいの? わけがわからない。


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